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ノートアプリCraft。Notionとの差別化ポイントを紹介。【Mac・iPhone・iPad】

2021年07月25日 2022年03月22日

Craftを紹介する前にNotionというアプリに触れておきます。
Notionはとても便利な情報管理アプリです。

単なるノートアプリを超えて、さまざまな用途に使えます。
例えば、ToDo管理、後で読む、プロジェクト管理、社内情報管理、情報発信の下書き、固定フォーマットテキストまとめ、、などなど。

もう情報管理アプリはNotion一強かと思っていましたが、ここに来て、Notionに似た情報管理ツールがリリースされました。その名は「Craft(クラフト)」。

Craftのノート一覧画面

2020年11月にリリースされたもののようです。
このCraftがなかなか使いやすそうなので紹介します。

Craft – Create Amazing Documents
https://www.craft.do/

機能はNotionが上。Craftは直感的に理解しやすい。

CraftもNotion同様高機能な情報管理アプリです。

現時点、Notionの方が機能は充実しています。
しかし、Craftは直感的に操作でき編集画面が美しく、一般受けしそう。
どっちが優れているとも言い難いです。

Notionは、若干データベースの扱いが難解。
一方Craftはというと、情報が増えてきたら、後からグループ化して整理できますよ?って感じの柔軟な運用が可能。

機能的にNotionの方が上、というのが現時点の結論ではあるのだけど、
iOS用ドキュメント作成アプリCraftが約8.8億円調達、ブラウザベースエディターも提供予定

こういった記事も出ており、積極的な投資、機能開発が行われているようで今後に期待ですね。

では、Notion、Craftそれぞれで、現状どういうポイントが異なるのでしょうか?
情報整理にNotionをメインで使っている自分が比較してみようと思います。

1. 複数人での共同編集

Notionに軍配。
この辺りに機能は、現状Craftは発展途上。
Notionであれば、スペース(ページを入れておける一番おおきな入れ物)単位での共有はもちろん、ページ単位の共有も可能です。

Craftはスペース単位での共同編集は可能ですが、ページ単位では出来ません。ページ単位ではシークレットリンクというものを使えば、Webブラウザで見てもらうことは可能です。

あと、共有したとしても編集できるのは2021年7月時点、Mac、iPad、iPhoneのアプリのみで、、Webブラウザでの編集、Windowsアプリ、Androidアプリには対応していません。
このあたりはNotionに先行者メリットがありそうですね。

2. リマインダー

Notionに軍配。
Notionならページ単位に期限を設定でき通知を飛ばせます。
しかし、Craftにはありません。ToDoアプリとしてCraftを使うには、機能不十分です。
チェックボックスのリストは作れるのですけどね。

3. データベース

機能ではNotion。ただ、シンプル用途の使いやすさではCraftに軍配か。
情報の整理、一元管理、データベース管理というところです。
データベース機能はNotionが標準で持っている機能なので、Notionに軍配、と言いたいところですが、Craftにはデータベースという概念が無い代わりにグルーピングという機能があります。

グルーピングという機能がどういうものか見てみます。
例えば、以下のようなページがあったとします。

CraftのiPadアプリ画面

複数のブロックを選択して、画面下の「グループ」をタップ。

CraftのiPadアプリ画面

すると、情報がまとまり、以下のような感じに。

CraftのiPadアプリ画面

Craftではこういうブロック、ページをグループという形で1まとめにしていく管理が非常に直感的で分かりやすいです。

4. 表現のバリエーション

Craftに軍配
一概には言えませんが、個人的には、見出しの色を変更できたり、装飾を加えられたりする分Craftの方が表現の幅は広いと感じます。

ブロックの装飾(CraftのiPadアプリ画面)
カードの装飾(CraftのiPadアプリ画面)

一つ例を紹介します。

CraftのiPadアプリ画面

先ほど紹介したグルーピング機能で作ったページです。
上記の選択した3つのブロックの装飾を変更してみます。
ブロックを選択したの状態で「スタイル」→「カード」を選択します。

CraftのiPadアプリ画面

表示されるパターンからお好みのものを選びます。
※ただし無料版ではこの中から選択できるものに限りがありますので注意ください。

CraftのiPadアプリ画面

すると先ほどのリストがこのような表示になりました。
どうでしょう。

こういう

  1. 情報ブロックをまとめる
  2. 装飾を加える

という処理をCraftは柔軟かつ簡単に行うことができます。

5. 日記、日付と対応したメモ

Craftに軍配
Craftはカレンダー表示的なものが予め用意されており、日付に対応したメモを簡単に取ることができます。Notionはカレンダー表示できますが、日付そのものを件名にしたページ作成は手動になります。

これは言葉での説明が難しいので実際のCraftの画面を見てもらいます。

CraftのiPadアプリ画面

こんな感じ。
下のカレンダーボタンを押すと、日付に対応したメモを作れるページが現れます。
別アプリのDayOneのような機能が予め備わっているということですね。

6. OS、デバイス別の対応

Notionに軍配
Mac、Windows、iPhone、Android、iPadなどへの対応です。
先ほども少し触れましたが、これは現状Notionに軍配があがります。

NotionはWindowsアプリ、Macアプリがあり、ブラウザベースエディターも備わっています。一方Craftは現状ブラウザベースエディターはなく、Windows、Android対応アプリも存在しません。なので、汎用的なのはNotionです。
しかし、Craftはブラウザベースエディター開発中というアナウンスもしているので、その差は埋まるでしょう。ここは、複数人で使うとかその用途によりそうです。

Webアプリは現在(2021年7月現在)開発中。

7. WordPressへの記事投稿

判定不能
NotionもCraftもイマイチ。

NotionもCraftもマークダウン記法に対応しているので、少なくとも、h2やh3等見出しレベルは問題なくコピーペーストで再現可能です。

画像の登録などはWordpress管理画面で再設定が必要で、少し手間です。
とはいえ、それはNotion、Craftがどう、ということではなく、マークダウン記法とWordpressの間のお話なのかもしれません。

8. プロジェクト管理

Notionに軍配
これはNotionですね。
ページ単位でコメントコミュニケーション、プロジェクト情報管理、ガントチャートの作成など、データベースを複数のビュー(表示方法)で切り替えられることが大きいですね。
Craftは今後Teamプランでどのような機能を実装してくるかにより、評価は変わりそうです。

9. UIの美しさ、使いやすさ

Craftに軍配
Notionも使いやすいんです。
ただ、色々出来すぎるのと、データベースの扱いでとっつきにくさを感じるところもあります。

一方Craftは比較的直感的に扱える上、UIが日本語化されています。
日本人にとっては、この日本語対応しているというのはなにげに大きいかもです。

10. 無料で使えるストレージ・ブロック数

Notionに軍配
これはNotionに軍配があがります。
Craftの場合ストレージが1GBだけです。
Notionの場合、無料プランだと、アップロードできる1ファイルあたりのサイズが5MBまでというのはCraftと同じなのですが、トータルでアップロードできるファイルサイズの制限については特に言及がありません。

そしてCraftの無料プランは、使えるブロック数が1,000個まで、という制限があります。
Notionの無料プランも以前は同様の制限があったのですが、今は無料プランでもこの制限が撤廃されて、無制限にブロックを作れます。このあたりはNotionに軍配が上がるところだと思います。

11. 価格

引き分け。ただ無料プランに限るとNotionに軍配。

NotionもCraftも高機能なノートアプリですが、無料プランに限定するとNotionの方が有利と言えます。
まず、Notionは、有料プランと無料プランの差が少ない。
Notionの価格プランは以前別記事で紹介したのでそちらをご覧ください。

一方Craftの価格プランは3つあります。
Personal、Professional、Teamの3つ。

そして無料のPersonalプランですが、制限がきついです。
具体的には前述の通り、ブロック数、トータル1,000ブロックを超えるとページが保存できなくなります。ページ単位ではなく、Craftで使っているブロック全体の数がカウントされています

1,000って結構すぐなくなってしまう数ですね。
使い続ける想定をされるのであれば、月額4ドルのサブスクリプション課金は必須と言えそうです。

ブロック数の制限値1,000を超えた状態で保存しようとするとProバージョンへの変更を促される。

あと、これも前述のカードの装飾パターン。
Personalプランだとあまりバリエーションが限られるので、表現の幅は狭まります。
どういう使い方をするかにもよりますが、制限に引っ掛かることを目にするのは、NotionよりもCraftの方が多いのは確かです。

具体的な比較表は以下に上がっていますのでそちらも参照ください。
Craft – Pricing
これを見ると、NotionのPersonal ProプランとCraftのProfessionalプランは潔いくらいに内容被ってますね。
Craftは1ヶ月4ドルという価格設定です。(2022年2月現在)
そして、NotionのProfession Proプランも同じく1ヶ月4ドル(1年契約の場合)なので、全く同じということですね。これは多分CraftがNotionを意識した結果なんでしょう。

CraftはNotion対抗馬として十分すぎるくらい可能性を秘めている。

今回はNotionに似た情報管理アプリCraftを紹介しましたがいかがでしょうか。
比較してみると、Craftは100%Notionを意識した機能、価格設定になっています。
ただ、全く同じではありません。

Notionは、一見とっつきにくさがあります。
一方Craftは、わかりやすさ、美しさというポイントで差別化を図ろうとしているように見えます。正直Notionのようなリレーショナルデータベース的な機能はないけど、ほとんどの人はCraftでで十分なのではと感じました。

もちろん使いようにもよります。
私の場合Notionを「あとで読む」「ToDo管理」アプリとして使っており、プロジェクト管理として使える可能性も模索しています。なので、一概に、Notionはもう不要というつもりはありません。個人でメモを取ったり、情報整理したり、という点においてはCraftで十分だと思う、ということです。

しばらくCraftの進化を気にしつつ、新しいニュースがあればまた紹介できればと思います。

ちなみにNotionについては、以下で記事をまとめているのでよろしければそちらもご覧ください。

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