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サイトリニューアルにおけるwebディレクターの役割分担。現場監督は1人です。

2020年08月09日 2021年08月24日

webサイトリニューアル。

そこにwebディレクターは欠かせない職種ですよね。

あなた含め、複数人のwebディレクターが1つのプロジェクトを進めることになったものの・・・

「自分の役割がわからない」

「どの範囲まで担当すればわからない」

そんな経験はないでしょうか?

webサイトリニューアルを進めるとなったとき、webディレクターは1人が全部担当するのか、複数人で分担しながら進めるか、というのは悩ましい問題です。

webディレクターの役割分担

まず最初にwebディレクターの役割分担についてお話します。 私はこれまでプロデューサーとして、webディレクターと共にたくさんのプロジェクトを進めてきましたが、その中でwebディレクターの役割分担としては大きく3つのパターンに分けて考えていました。

1. 「メイン」と「サブ」

1つ目は「メインディレクター」と「サブディレクター」という関係です。 メインディレクターがクライアントとの窓口や企画設計など「メイン」になる部分を担当しつつ、サブディレクターがそのサポートをする、という感じです。 常にこの関係で、プロジェクトの最初から最後まで進みます。

メリットは、クライアントから見たときに、誰と話をすれば良いか、コミュニケーションの対象が明確なこと。 制作側から見ると、メインディレクターの能力が高ければ高いほど安定した成果が得られやすいこと。

デメリットは、メインディレクターの能力に依存すること。サブのディレクターに主体的な活躍の場が提供されにくいことが挙げられます。

2. 「企画設計」と「進行管理」

2つ目は、プロジェクトの「企画設計(前半部分)」と「進行管理(後半部分)」という役割分担です。 あくまで傾向ですが「企画設計」はベテランのwebディレクター、「進行管理」はキャリアの浅いディレクターが担当することが多いので、上述の「メインとサブ」に似た関係になりやすいですが、そうではなく「進行管理」は進行管理専門のプロフェッショナルが担当するイメージです。

企画設計は、企画設計後の進行管理を見越して定義し、プロジェクトを計画する必要があります。 このプロジェクトではどういうタスクが必要なのか、どれだけ時間をかけられるのか。 それを企画設計担当のwebディレクターが責任を持って固め、企画設計完了後に、進行管理のwebディレクターに引き渡すのです。

メリットは、webディレクターの得意領域、不得意領域を考慮したアサインができることです。

企画設計は得意だが、スケジュール管理タスク管理は下手というwebディレクターもいます。 逆に企画設計はやりたくない。自分は、細かく進行管理が得意というwebディレクターもいます。

そういうディレクターの特長にあわせ、強みを持ちよって進められるのは全体パフォーマンス的にも、各ディレクターのメンタル的にも良い影響を与えることが期待できます。

デメリットは、プロジェクトの前半部分担当、後半部分担当という分け方になるので、そこの連携や引き継ぎを確実に行わないと、「知らなかった、聞いてない」という思わぬ事故につながりやすいことです。 あと、クライアント側からすると、途中でコミュニケーションの対象が変わるので、戸惑いを感じられるケースがあります。

このあたりは、プロジェクト計画段階でクライアントと共有しておく必要があります。

3. 担当コンテンツ別

最後は、担当コンテンツ別の分け方です。

例えば、トップページ、会社情報、製品情報はAさん、採用コンテンツはBさん。 そういう具合です。

大規模なサイトは、このパターンが多いように感じますが、それぞれのコンテンツ別に、企画設計、進行管理を行う必要があります。

メリットは、担当ディレクターそれぞれで主体的に活躍できる、責任範囲が明確になるということです。 やっぱりメインとサブという関係だと、サブのディレクター側のモチベーションが上がらない、ということが現実問題として存在します。

デメリットは、クライアント側から見た時に、主担当が誰か分かりにくいこと、また前述の核になる共通部分を押さえる人を明確化する必要があること、その共通部分で検討しないといけないことがあるのに各webディレクターがそれを見落としがちな状況が発生しやすい状況になる、ということがあります。 また、担当コンテンツ別に、分けたとしても、サイト構造の軸となる共通部分を誰が主導するのか、そこは明確にしておく必要があります。

想定以上のコミュニケーションコスト。理想は・・・webディレクター1人。

では、上記の3つの中で最適な役割分担はどれでしょうか。 結論からいうと・・・実はどれでもなく、

「webディレクターが1人」のプロジェクトがうまくいっています。

複数人のwebディレクターが関わるパターンの話をしておきながらこの結論もどうかと思いますが、現実1人で完結させた方が良い結果が出ることの方が多いです。

それは何故でしょうか?以下その理由を説明します。

webサイトリニューアルは、クライアントのため、ユーザーのためでもありますが、web制作会社自社のためにもなる必要があります。

プロジェクトとして遂行する以上、自社の利益に繋げるべきなので。

これは経験則ですが、関わるwebディレクターの人数が多くなればなるほど、最終的にはコストが大きく膨らみやすい、という傾向があります。

二人で「分担」をしているのだからトータルの工数は変わらないのでは?と思うかもしれませんが、普通に2倍になっているケースがあります。 工数が2倍ということはコストも2倍ということです。 なぜかというと社内の連携、共有、会議への参加、そういったところでどうしても時間が余計にかかっているからです。

一方1人でガンガン進められるwebディレクターの場合。

メインディレクターを張れるスキルを持った人は、あるべき形、、つまり正解を作るのが上手です。

その目ざすべきものを早々に定義し、短い時間で70%くらいに持っていくスピードがあります。 そこが苦手な人は、いつまで経っても設計スピードが加速せず、デザインフェーズに入ってもまだ設計をちくちく触っています。

早いこと70%まで持っていければ、あとはコンテンツの中身や、デザイン、+αの提案などよりよくすることにさらに時間を使えます。

それをするためには、やはりその70%までに持っていくスピードとスキルが重要だと思うのです。

属人的といわれればそれまでですが、、、。

必要なリソースは都度調達する。

高度な機能を持つwebサイト、CMSでのデータ投入含めてトータル2,000ページを超えるようなwebサイトもあります。

そんなサイトでもwebディレクター1人が理想といえるでしょうか?

ぼくはそれにもイエスと言いたい。

ページ数が多いからといって、必ずしもwebディレクターの作業負荷が高くなるとは言い切れないと思っているからです。

仮に2,000ページあったとしてもその中のページパターン数としてはどのくらいあるでしょうか? せいぜい、多くても20パターンくらいです。 2,000ページのうち1,500ページは、プレスリリース記事コンテンツの移行、というのはよくある話です。

そのプレスリリース記事の単純移行作業は、外注であったり、自動化のプログラムを組むなどで対応するなど、メインのwebディレクターの作業負荷をあげることなく対応する方法はあります。 なので、ぼくは、webディレクター1人でも、大規模サイトのディレクションをすることは十分可能と思っています。

ただ、自分の手で回し切れないパートは、メインのwebディレクターが作業に時間を費やすのではなく、必要な作業者をそのタイミングでアサインすることが必要です。 デザイナーやプログラマー、協力会社と同様、必要なタイミングで必要な作業者をアサインするのです。 議事録を書いてもらう、素材を整理してもらう、サイトマップを整理してもらう、データ入力してもらう。

そういうアシスタント的な役割を担う人は、webディレクターとして最初から最後までプロジェクトに同伴してもらう必要はありません。必要な時に必要なだけアサインすればいいのです。

webディレクターはプロジェクトをコントロールする裁量を与えられています。

プロジェクトを進める上で足りないリソースは調達すればいい。

このマインドは現場監督であるディレクターは持っておくべきマインドです。