Google、サードパーティCookie廃止に向けた動きをアナウンス。
たぐと申します。
東京のweb制作会社でプロデューサーをしています。
以前、個人情報保護の観点から、サードパーティCookieと呼ばれる、第三者のサイトにwebサイトの閲覧情報や個人識別情報が渡される仕組みがなくなる方針である、ということがGoogleから発表されていました。
そしてそれに替わる技術の開発も行われている、と。
それが昨年2020年1月ごろのニュースです。
そして、2021年3月に、その途中報告がGoogleからあったようなのでお知らせします。
よりプライバシーに配慮したウェブの実現にむけて
Google Japan Blog: よりプライバシーに配慮したウェブの実現にむけて
「個人」ではなく「グループ」で識別する。
サードパーティCookieを使う一番の目的は広告配信です。
Webサイトを閲覧しているだけで、個人の趣味趣向が分析され、「あなた、これに興味がありますよね?」とwebサイトを見ているとおすすめされるあれです。
サードパーティCookieを使えなくなると、その広告配信をしようにも個人の趣味趣向を分析できなくなるので、広告配信会社にとっては大打撃になるわけです。
普通なら。
しかし、Googleはそれに替わる技術の開発を進めていますよ、ということも同時にアナウンスしていました。
FLoC(Federated Learning of Cohorts、群れの連合学習)
というものらしいです。
要は、「個人」ではなく「グループ(集合体)」で広告配信対象を識別しますよ。
ということみたいです。
終了は確実に予告。
Google は、サードパーティ Cookie のサポートを段階的に終了させた後ウェブ横断的に個人を追跡する代替的識別子の構築をしないこと、また広告製品でこれらを使用しないという明確な方針を本日発表します。
発表によるとサードパーティCookieを終了させることは名言しています。
ただ、これも前から言われているように、スパッとやめるのではなく段階的に、という言い方をしています。
次のバージョンのChromeからテスト開始。
FLoC ( FLoC – 協調機械学習により生成されたコーホート) を使った最新の検証結果 では、広告からサードパーティ Cookie を効果的に排除し、共通の関心対象をもつグループの中に個人を ”隠す” 方法を示しました。Chrome は 今月予定している次回のリリースで、オリジントライアルを通じ FLoC ベースのコーホートの公開テストを行い、第 2 四半期には Google 広告の広告主を対象として FLoC ベースのコーホートのテストを開始する予定です。また、Chrome については 4 月、新たに一般利用者向けに プライバシー サンドボックスに関する初の管理設定 を提供します。今後のリリースでは、さらに多くの提案がオリジン トライアルの段階に入り、エンドユーザーや業界からのフィードバックを受けながら管理機能を拡張して行くことになります。
具体的なタイミングについては上記のように紹介されています。
要約すると、
- 2021年4月:公開テストを行う
- 2021年7月:Google広告の広告主向けにテストを開始する
この公開された情報だけだと、これまでGoogle広告(リスティング、ディスプレイ)の配信設定をどの程度変更すべきなのかはよくわかりません。
ただ、管理機能の拡張を続けていく、ということなので何らかの配信設定のカスタマイズ作業は必要になりそうな印象ですね。
web制作会社にとって。
個人的には、現在wwebサイトを閲覧するとたまに出てくる「Cookieを取得しています。よいですか?」的なオプトインのUIが大嫌いです。邪魔でしかないし、ユーザビリティを阻害する。
このGoogleの技術が一般化して、そういう旧時代的なUIがなくなるのなら大歓迎です。
有効な広告配信がされるものなら賛成。
広告配信的な観点で言うと、、個人情報が守られ、新しい技術に置き換わることでさらに有効な広告配信がされるものなら問題ないと思います。
ただ、インターネットを介した広告配信をGoogleが担う側面はさらに強くなりそうです。
Cookieという昔からある技術でなく、Googleが独自開発した広告対象識別技術なわけですから。
そこに一抹の不安はありますが、現在も「検索=Google」という構図なわけなので、検索に広告が付くという点で、「影響力が大きく変わるものではない。」と言えるかもしれません。
この技術が今の広告配信の垣根を超えて、別次元の領域に手を伸ばすことがあるなら話は別かもですが。とりあえず動向を見守ろうと思います。