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サイト内検索。「実装パターン」と「必要性の検証方法」

2021年01月24日 2021年01月26日

たぐと申します。
東京のweb制作会社でプロデューサーをしています。

今回は、webサイトにサイト内検索を実装をお考えの場合

  • そもそも実装すべきなのかどうか
  • 実装するパターンにはどのようなものがあるのか

について紹介します。以前はGoogleやYahooが提供するサイト内検索機能を無料で設置できていたのですが、現在は広告がついたり、有料化されたりしているので、対応のバリエーションが増えてますね。

Web制作会社のディレクターや、webマスターの方の参考になればと思います。

サイト内検索が必要かどうか検証しましょう。

まず結論です。

サイト内検索が必要かどうか検証しましょう。

ということです。

機能はないよりあった方が良いという判断で、実装を考えられる企業様もいますが、そもそも本当にサイト内検索の実装は必要なのか、という判断が最初にあるべきです。

一般的な企業サイトであればぶっちゃけサイト内検索ってほとんど使われないと思った方が良いです。

現実として、よくある会社案内主体のサイトの場合、悲しくなるくらい微々たるサイト内検索のクエリ数しかなかったりするので。

サイト内検索は、膨大な商品数から絞り込み検索をしたり、「このサイトの中で何かを探す」という情報量があってはじめて意味を持つのです。

なぜなら、普通の人がコーポレートサイトで探すものなんて、Googleで「企業名 + キーワード」でほとんどの場合ヒットしますから。
Googleは偉大です。

サイト内検索の必要性を検証する方法

そうは言っても、

「webサイトの訪問者に、欲しい情報を提供できたのかどうか不安・・・」

と心配になるお気持ちもわかります。

繰り返しますが、サイト内検索は、

膨大な商品数から絞り込み検索をしたり、「このサイトの中で何かを探す」という情報量があってはじめて意味を持ちます。

そうでないサイトで、ユーザーが求める情報を提供できていないのでは?とお考えの場合、それは、webサイトの情報設計やサイト構造、導線設計そのものがおかしいと考えるべきです。

なぜなら、ユーザーは、ランディングしたページから、自分に関係する、と思うものをクリックしながらドリルダウン的に探すのが一般的だからです。

テキストフィールドに文字を入力して検索ボタンを押す、というアクションができる人は

一定の理解がすでにある特殊な人

と考えるべきです。

とはいえ、サイト内検索実装をすべきかどうか?
何らかの判断指標が欲しいという方もいると思います。

サイト内検索の実装をすべきかどうかの簡単な検証方法を紹介します。

その1つが、
GoogleのSearch Consoleで、「企業名 + キーワード」でどの程度の検索があるかどうかを探る方法です。

Google Analyticsの設定をしているアカウントですぐ連携できます。
Search Consoleは、自社のサイトがどのようなキーワードで検索されているかがわかるツールです。

Google Search Console
アナリティクスで Search Console のデータを設定する – アナリティクス ヘルプ

設定が済んでSearch Consoleの管理画面から「企業名 + キーワード」
での検索がどの程度あるかを見てみましょう。

あと、

一般の人では想像しにくいキーワードが含まれていること、またそういった検索キーワードのバリエーションが豊富に感じられるのであれば、サイト内検索をおく価値ありです。

それだけのニーズがあるということが分かりますからね。

実装パターン

では、次にサイト内検索を置くべきとなった場合、どういう手段がとれるかについて説明を続けます。

パターンとしては3つほど挙げました。

  1. CMSの標準機能
  2. ASPサービス利用
  3. スクラッチ開発

です。

ぶっちゃけどれがベストか、ということまでは言えないです。
状況と検索対象となるwebサイトの性質によりますからね。

ちなみに私は、ASPサービスのMarsFinderを使うことが多いです。

1. CMSの標準機能利用

WordPressやPowerCMS、Movable Typeなど、市販やオープンソースのCMSには標準でキーワード検索機能が備わっていることが多いです。

例えば、Wordpressの場合、固定ページ、記事ページが検索対象となります。
検索結果には、該当文字を含むページがリストアップされます。
ただ、標準だと検索ワードがハイライトされることもなく本当に必要最低限、と言う感じですね。

2. ASPサービス利用

ここでは、サイト内検索がサービスとして提供されているものを4つ紹介します。

  1. Programmable Search Engine(Google)
  2. probo(ビジネスサーチテクノロジ株式会社)
  3. MarsFinder(株式会社マーズフラッグ)
  4. Sync Search(株式会社SyncThought)

順番に見ていきましょう。

2-1. Programmable Search Engine(Google)

Googleが提供する、サイト内検索サービス。
※多分以前、「Googleカスタム検索」と呼ばれていたサービスだと思います。
広告を非表示にすることもできる模様です。

広告に関する問題 – Programmable Search Engine ヘルプ

非営利団体、学校、政府機関の場合は、プログラム可能な検索エンジンの広告なしバージョンをお申し込みいただくと、検索エンジンから広告を削除できます。
その他の団体は、プログラム可能な検索の Element Paid API または JSON API を使用することで、クエリ 1,000 件につき 5 ドルで広告を削除できます。

非営利団体、学校、政府機関の場合は申請が通れば広告なしで無料で使えると言うのは良いですね。それ以外の場合は、

クエリ1,000件につき、5ドル

という従量課金性になっていますね。

一般企業のコーポレートサイトで使うとなると・・・・
無料利用の場合

  • 競合他社の商品が広告表示されることがある。
  • 従量課金というのも、常にウォッチしていないといけない、という懸念を感じられる。

という理由で導入を見送られることがほとんどです。

Programmable Search Engine by Google

初期費用:無料
月額:無料

2-2. probo(ビジネスサーチテクノロジ株式会社)

サイト内検索の老舗。
ビジネスサーチテクノロジ社が提供するサービス。
価格は、固定ではなく「●円〜」という記載になっており、そこはビジネスサーチテクノロジ社のサービス担当者との交渉が必要。
おそらく検索数等も費用に反映されているのだと思われる。

  • 全角・半角、大文字・小文字、ひらがな・カタカナを同一視
  • 検索ログ機能
  • おすすめリンク
  • 横断検索
  • 絞り込み検索
  • 検索アシスト辞書(類語やゆれ語、略称などを管理画面で登録)
  • 検索結果にOGPサムネイル表示

初期費用:初期費用50万円〜
月額:月額利用料5万円〜

2-3. MarsFinder(株式会社マーズフラッグ)

こちらも有名。
2006年から2008年ごろにかけ、β版を経てMarsFinderというサイト内検索サービスを正式リリースしているようです。

費用が明確に算出できる形なので、社内稟議に通しやすいメリットがあると思います。
検索対象の塊を「ユニット」という単位で計算します。
同じユニットであれば何個おいても1ユニットだが、検索条件のことなるものが2つあればそれは2ユニットとして計算される。
例えば「日本語版サイト」「英語版サイト」の検索窓をそれぞれに用意する (検索結果を混在させないようにする)場合、2ユニット必要になるということですね。

MarsFinderは、価格の計算がしやすいのが良いです。
ページ数と検索対象のパターン(ユニット数)がわかれば、検索数にかかわらず費用が算出できますので。

  • 候補キーワード表示
  • 「もしかして」表示
  • ドリルダウン検索
  • 検索結果の画面イメージにマウスオーバーでポップアップ表示
  • 検索結果画面デザインカスタマイズ
  • おすすめリンク
  • インテリスニペット
  • 検索製品のイメージを検索結果にサムネイル表示
  • 多言語対応
  • PDF検索対応
  • 検索対象選択
  • タイトルアイコン表示
  • 日付順ソート表示
  • 期間指定表示
  • 検索キーワードランキング
  • 関連検索キーワード表示

初期費用:10万円
月額:1万円〜(ユニット数と検索対象ページ数で変動)

MARS FLAG – MARS FINDER
MARS FINDERの特徴 – MARS FLAG

2-4. Sync Search(株式会社SyncThought)

こちらも最近候補に挙げることが多いサイト内検索サービスです。
MarsFinderと同様、Webサイトを見ると2008年からサイト内検索サービスを開始しているようです。

  • サムネイル表示
  • おすすめリンク表示
  • 同義語/類義語表示
  • もしかして表示
  • サジェスト表示
  • キーワードランキング表示
  • 種別アイコン表示
  • 検索対象の絞込み
  • sitemap.xmlの出力
  • RSS出力
  • 検索キーワード分析
  • 0件キーワード分析
  • リンク切れ把握
  • 複数テンプレート登録

初期費用:要問い合わせ
月額:3万円〜

サイト内検索サービス ASP SyncSearch
手頃な価格設定 | サイト内検索 SyncSearch

3. スクラッチ開発

毎月費用が発生することを嫌うならオリジナルで開発するというのも1つの選択肢です。ただ、そこまで高度な検索はできないのと検索プログラムそのものをwebサーバ上で行うため、アクセスの多いサイトだとサーバ負荷に影響を与える可能性があると思います。

毎月費用は発生しないにしても、セキュリティ対応のチューニングが必要になる可能性もありますし、サーバのデータベースやミドルウェアのバージョンアップ等にも影響を受ける可能性もあるので、あまりお勧めできません。
スクラッチ開発だと固定の月額はかからないにしても、初期開発費用もそれなりにかかります。

まとめ

今回はサイト内検索の実装が必要かどうかを検証する方法と、サイト内検索の実装パターンについて紹介しました。
どれがベストか、ということはありません。

  • 必要な機能
  • コスト
  • サポート
  • 検索対象のサイトの性質
  • 想定される検索数

そのようなものを踏まえながら検討されると良いと思います。