SEO対策ガイドライン。考慮すべき13項目。【2021年版】
今回はWebサイトのSEO対策について解説します。
Webサイト制作のお見積、要件定義段階でお客さんとどのような取り決め、握りをしておくべきなのか。
そういうところにお悩みをお持ちのWeb制作会社のディレクターの方のお役に立てばと思って書いています。それではいきましょう!
SEO対策の実施有無は最初に定義しておこう。
「やれる範囲でやりましょ。」というのは危険です。
クライアントは、Webサイトのリニューアルをすることで自社ビジネスに関連するキーワードの検索順位は上がるものと思ってます。そのランクアップが企業のビジネス成果に直結することもありますから。
しかし、SEOの成果、効果をWeb制作会社側で明確に保証することは結構難しいです。
例えば以下のようなもの。
- 指名検索での順位(○位以上)
- 表示スピード○秒以内
- 外部リンクの○件獲得
リニューアルの前後比較で差は出るはずですが、順位のお約束などは現実的には難しいです。
他社だって同様のSEO対策を取ってくる可能性もあるわけだし、要因は複雑に絡み合いますから。
そのサイトがどの程度世間から興味を持たれているか、とか季節要因や政治的な要因だってあるでしょうしね。
なので成果を保証するのではなく、
「こういう成果を期待する。そのためにこういう施策をする。」
ということをお約束する方が現実的です。
では、SEOの施策というのは具体的にどのようなものがあるでしょうか。
Googleからアナウンスされていることも含め全部で13項目挙げました。
それぞれにWeb制作会社視点で標準対応すべきものかどうか、という考えも記載しておきます。
1. キーワードの選定、対応するコンテンツ作り
標準対応すべき
このステップはWebサイトのリニューアルであれば必須のステップだと考えます。
クライアントに対して「やりますか?」と聞くレベルの話では無いと思います。
これをやらないとなると、何のためのWebサイトリニューアルか分からない、そんなレベルですね。
以下のような手順で進めます。
- 課題抽出
- キーワード選定
- キーワードに対するコンテンツ制作、コンテンツチューニング
キーワード選定、対応するコンテンツができたら、そのキーワードをコンテンツやページタイトル、H2やH3の見出しに含めることを考えます。
機械的にやるのではなく、キーワードに対する解決法がこのページにあることをユーザーにお知らせすることが重要です。
2. 画像のALTタグの設定
任意対応で問題なし
本来は情報にあたるテキストは、画像ではなく、デバイステキストとして配置すべきです。
それが難しい解説図のようなものの場合、画像で説明されていることを要約したテキストはALTに含めるべきだと思います。
- どの範囲で設定するか。
- 画像内のテキストを全部書き起こすか、その画像にどのような記載があるかのサマリーのみに留めるか。
ということは予め定義をしておいた方がよさそうです。
3. パンくずリストの構造化
標準対応すべき
制作の手間はそこまでではなく、クライアントにお伺いを立てるレベルの話でもないかなと思います。
CMSでサイトを構築しており、表示されているパンくずリストをシステム的に管理できるならそれが理想。
できない場合は、それなりに実装の手間になるし、公開後のクライアント側での運用時に、きちんと更新されない恐れもあるので、運用可能なのであればやるべき、というレベルかなと思います。
パンくずリストの構造化実装方法には、script タグ内にJSON 形式で記載する「JSON-LD形式」とHTMLのタグの中に組み込んでしまう「microdata形式」があります。
4. コアウェブバイタルへの対応
標準対応すべき(ただし、条件付き)
主には以下のようなものを保証する対応を指します。
- ページの表示スピード(Lagest Contentful Paint)
- 操作の応答速度(First Input Delay)
- 意図せぬ操作を引き起こすレイアウト崩れ(Cumulative Layout Shift)
ただ、これらについて、実施判断基準を定義することは結構難しい。
ページの表示スピードはGoogleが提供するPageSpeesInsightというサイトで計測することができるが、利用しているCMSのアプリケーションや、サーバスペックにも影響を受けるもの。
なので対応するにしても、「コアウェブバイタルの指針に対応します。」というざっくりしたものではなく、
「コアウェブバイタルの指針に沿った対策として●●をやります。」ともう一段ブレイクダウンして実施内容を明確にしておくべきかなと思います。
具体例で言うと、ページ表示スピードアップのために行うこととしては下記のようなものがあります。
- 無駄なリソースをサイトに読み込まない
- 画像を圧縮する
- 最適な画像フォーマットを使う
5. METAタグ設定(Keyword、Description)
標準対応すべき(ただし厳密にはSEO対策とは言えない)
SEO対策の一つとして長く語られることが多いMETAタグに設定するKeywordとDescription。
KeywordはSEO的には無意味と言われている。
ただ、無意味かもしれないが、このページはどういうワードのランディングページとなるように設計されたのか。それを示すメモとして残しておくことは意味があるのではと思います。
一方、Descriptionも同様にSEO的な評価を得られないと言われているものの、Googleの検索結果ページにサマリーとして表示されるものなのでユーザーが情報を探す上で有効な情報になります。
これを設定していることで直接的にサイトの評価は上がらないが、設定はしておくべきですね。
全ページに設定せずとも、特にランディングページになり得るページのみに設定するという考えもあると思います。
6. Sitemap.xmlのアップロード
標準対応すべき(ただし自動的にサイト更新にあわせてアップロードされる仕組みを実装できる場合)
対象のWebサイトにどのようなページがどのような階層構造で存在するかを示すXMLファイルフォーマットで作成し、Webサーバのルートディレクトリ直下にアップする。
それをGoogleのクローラーロボットが見ることで、サイト構造を理解し評価してもらいやすくなる。
こちらはGoogle サーチコンソールにアップロード機能が備わっており、Googleとしても意味あるものと捉えていることがわかる。ただ、このSitemap.xmlを手動で生成することは現実的ではない。
忘れるし、サイトを運営する人すべてに周知する運用には無理がある。(サイトの更新頻度が低い場合は半年に一回ほどSitemap.xmlを作成してアップ、とかならまだ可能性はあるかも。)
いずれにせよ、CMS等から自動でSitemap.xmlの作成とサーバへのアップロードが行えることが理想。
7. マルチデバイス対応
標準対応すべき
PCだけではなく、スマホ、タブレットに対応することですね。
タブレットはPCサイトを表示する形で問題ないが、コンテンツがきちんと欠けることなく表示できるかどうかは確認が必要。いずれにせよ、PC、タブレット、スマホをワンソースのコードで表示を出し分けるレスポンシブデザイン対応は標準で対応すべきもの。以前はBtoBのサイトはPCのみで良いというケースもあったが、最近はBtoBのサイトであってもあたり前のようにレスポンシブ対応する。
8. SSL暗号化通信
標準対応すべき
SSL暗号化通信は、セーフブラウジングを評価すると言っていることからSEO対策の1つになると言っても問題なさそう。最近はChromeなどで、暗号化されていないサイトを見ると「保護されていない通信」とブラウザ画面常に表示されることもあり、サイトを閲覧するユーザーの不安を煽ることにも繋がる。
SSL暗号化通信は標準で対応すべきものです。
9. 十分なコンテンツ量
標準対応すべき
あるトピックで検索上位をさせるなら、そのトピックについての十分な情報量が必要だと思います。なんらかの権威性がそこにあるならともかく、SEO対策的には、コンテンツ量も重要だと言われています。
10. コンテンツの一意性(重複コンテンツを持たない)
標準対応すべき
コンテンツ量が十分だったとしても、それぞれのページのコンテンツには独自性があることが大事です。内容同じで言い回しが微妙に違うようなページをコピーで量産したとしてもGoogleは評価しません。
そういうことが発生した場合、「このページとこのページは同じ内容を言っているので1つに集約しますよ。」という趣旨の「正規化」という設定を行うことが一般的です。
11. 適度な情報のアップデート
運用体制による
たとえコンテンツの質、量が十分だったとしても、情報の鮮度というのは徐々に失われていくものです。まったく更新されていないWebサイトの状態をGoogleは望みません。生きているWebサイトであることを伝えるためにも定期的な更新が必要だと思います。
12. SEO資産の継承(恒久的リダイレクト)
標準対応すべき
サイトリニューアルなどで旧サイトから新サイトに変わる際、ページのURLも新旧で変わることはよくあります。そのような時はページ単位で301リダイレクトをしてあげましょう。意味としては、「このページは、こちらのページにURLが永続的に変更になりました。」というような引越し情報を明示してあげるのです。(.htaccessというファイルに記載してWebサーバにアップロードするのが一般的ですね。)
13. AMP対応
まだ様子見で良さそう
モバイルユーザー向けに、ページコンテンツを高速にスニペット形式で表示させるものです。
ただ、これ、実装が結構手間なのと、最近はPCスペックや、通信スピードの高速化などもありAMPそのものの恩恵はそこまで受けにくくなっていると感じます。(私個人的に。)
実装すると必ずGoogleの検索結果ページにAMPの形で表示されると保証されるものでもなさそうで、個人的には、これ、様子見でも問題ないと思っています。
まとめ
今回は、SEO対策として考えられる施策を全部13個挙げました。
大事なことがこれらを網羅して対応することではありません。
ユーザーにとってためになる部分がどこかを見極め選択し、クライアントと対応内容の齟齬が起こらないようにしておくことです。参考になると幸いです。