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揺れがちな「デザイン」という言葉の意味。プロジェクト開始時に明確にしておく。

2020年12月23日 2021年01月24日

たぐと申します。
東京のweb制作会社でプロデューサーをしています。

先日こんなツイートをしました。

今回は、この内容を実体験踏まえてもう少し詳しく話してみようと思います。

web制作会社との間で必ず取り交わされるワード

デザイン

この「デザイン」という言葉の意味は、プロジェクト開始時に明確にしておきましょう。

という話をします。

もしかしたら、こういう議論はやり尽くされているのかもしれません。

ただ、現実として、web制作におけるクライアント企業様との打ち合わせなどの中で、ここの理解のズレでプロジェクトの進行に少なからず影響が出そうになったケースを見ています。

「意匠」と「設計」。2つの意味。

web制作業界には「デザイナー」という職種があり、デザイナーは、最終的なwebサイトがどのような見た目になるのか、という絵作りを行います。

一般的には「見た目がどうなるかという絵作り」を行うのがデザインという意味で理解されているかもしれません。

しかし、本来「デザイン」という言葉は、「どうあるべきか」という「情報設計」的な意味を持っています。

その

設計的な意味を持つデザインのことを、「情報デザイン」

と言い、一方、先の

装飾や見た目のデザインのことは「意匠デザイン」

と言ったりします。

先にお伝えの通り、web制作の現場には、デザイナーという肩書きの人がいるので、制作の現場において使用している「デザイン」という言葉は、「意匠デザイン」の方の意味で使うことが多いように思います。

・・・となると、前者の『設計的な意味を強く持つ「情報デザイン」』についてはどう呼称すべきでしょうか?そこは、そのまま「設計」という言葉で広く括って話をすることが多いですね。

「デザイン」という言葉の意味を明確にしておくべき理由。

「デザイン」という言葉の認識が曖昧なままでプロジェクトを進めるとどのようなことが起きるでしょうか?

  • 制作会社はデザインFIXのつもりでいたが、コーディング後にクライアントから修正依頼が多発する。
  • 情報構造そのものを見直す必要が後になって出てくる。

といったことが起こり得ます。

このあたりは、「デザイン」という言葉の意味の理解を超えたプロジェクトマネジメント次第のところもあります。

ただ、「デザインFIX」というのが、何がFIXされた状態であるのか、予め擦り合わせておくことはweb制作会社、クライアント企業様双方にとって

立ち戻りのリスクを減らし、関係者全員が共通認識を持てる

という意味においてメリットは大きいと思います。

そのために、web制作会社は「デザイン」が何をさしているのか、「設計」が何をさしているのか、そのアウトプットは何か、を予め明確にしておく必要があると考えます。

以下参考に、意匠デザイン、情報デザインのアウトプット例を紹介します。

意匠デザインのアウトプット例

  • デザインポジショニングマップ
  • デザインガイドライン
  • ロゴ利用ガイドライン
  • トップページデザインプレビューイメージ
  • 下層主要ページデザインプレビューイメージ

情報デザインのアウトプット例

  • ハイレベルサイトマップ
  • コンテンツマップ
  • 画面設計書
  • 機能設計書
  • コンテンツ定義書

まとめ。言語の定義は企業文化により異なることを肝に銘ずべし。

今回は、「デザイン」という言葉には、意匠デザイン、情報デザインという2つの意味合いがあり、その受け手により、どちらの意味にも取られ得るので注意しましょう、という話をしました。

多くの場合は、デザインは、意匠デザインという意味で認識されることが多いと思います。

しかし、プロジェクトの後工程になり
「内容これでいいんだっけ」
「使い勝手ってどうなんだっけ」

本来の情報デザイン部分に不安を抱かれ、

「デザインって何でしたっけ?」

みたいな話に戻ってしまうことがあるのではないでしょうか?

この時web制作会社側は、「デザインはFIXですよ〜。」

と食い下がるでしょう。
しかし、クライアント側は、デザインって何?
ってところに立ち戻ってしまっているのでこの理屈は通じません。

恐ろしいですね。

こうなってしまうのは、最初の段階で「デザインがFIXするとはどういうことか?」

の共通認識が取れていないことが大きな問題です。

ふわっとプロジェクトが開始され「ワイヤーだとよくわからないので、デザインで見たい。」
と言われ、なし崩し的に、「デザイン作ってお見せします。」となり、担当者レベルでOK貰ったが、その上長から指摘が入り、、、、

というような流れで、立ち戻りが発生しやすいように感じます。

  • 情報デザインは、設計フェーズでFIX。
  • 意匠デザインは、デザインフェーズでFIX。
  • アウトプットはこれ。
  • 各アウトプットでFIXしたいのはここ。

といったことをプロジェクト計画で明確しておく必要があるということです。

気をつけたいですね〜。
以上でーす。