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【分析】顧客理解のための5つの視点。4C(ユーザー視点)と4P(企業視点)は対で考える。【マーケティング】

2020年07月09日 2021年07月05日

Webサイトの制作会社でプロデューサーをしています。
Webサイトの制作会社は、クライアント(Webサイトのオーナー)の顧客が何を求めているか理解し、その顧客に響く情報提示が必要です。そのためには、クライアントとその顧客のことを深く理解する必要があります。
その理解を効率的に進める「型」というものがありますので、今回はそれを紹介します。

STP分析

市場視点

Segmentation(市場の細分化)
Targeting(市場の選定)
Positioning(市場における立ち位置の明確化)

  • 私たちが狙う市場って、どう「細分化」できそう?
  • 私たちはその細分化した市場のどの「領域」で戦う?
  • 私たちはその領域で勝つために、自社の価値をどこに「位置付け」る?

web制作会社側では、あまり使っていない。
企業のサービスデザインに入り込むとこのあたりは検討しやすいかもしれない。

SWOT分析

市場視点

Strength(自社の強み)
Weakness(自社の弱み)
Opportunity(自社にある機会)
Threat(自社にとっての脅威)

  • どういう「機会」チャンスがあり、どういうことが「脅威」になりそう?
  • 私たちの「強み」と「弱み」を把握した上で、どう攻め、どう守る?

クライアント企業の分析として、想定で作ることはある。
結果、ここを狙ってコンテンツの比重を高めたらどうか、という提案はしている気がする。

3C分析

3つのプレイヤー視点

Customer(市場・顧客)
Competitor(競合)
Company(自社)

  • 「お客さん」ってどんな人?
  • 「私たちの強み」ってなんだろうね?
  • 「競合他社」の強みってなんだろうね?

ステークホルダーの分析という形で取り入れることはある。
ただ、競合他社分析という点においては、3C分析の1つというよりは、
競合他社分析として1つ別にまとめてしまうことが多いような気がする。

4C分析

顧客視点

Costomer Value(顧客にとっての価値)
Cost(顧客が支払うコスト)
Convenience(顧客にとっての利便性)
Communication(顧客とのコミュニケーション)

  • お客さんが重視する「価値」は?
  • お客さんにどういう「負担」がある?
  • お客さんが「欲しい情報」を届けられている?
  • お客さんは製品やサービスを「入手しやすい」状態?

これは結構web制作会社が考えやすい、かつ、取り入れやすい分析手法だと思う。
企業視点ではなく、ユーザー視点の話なので、想定がしやすい。
ここはデフォで取り入れるべくもっと深掘りしてもよさそうだ。

4P分析

自社視点

Product(商品そのもの)
Price(商品の価格)
Place(商品の流通)
Promotion(商品の販促方法)

  • 私たちの考える「商品」の強みは?
  • 私たちの商品の「価格」は適正?
  • 私たちの商品の「販促活動」は十分?
  • 私たちの商品の「届け方」は適切?

4P分析は4C分析と対になるもの。
企業視点なので、価格が適正かどうかということまでweb制作会社が踏み込むのはリスキー。
ただ、ここをクライアント企業視点でどうお考えですか?
といった形でヒアリングの道具として使い、それを踏まえてweb制作会社側で
「顧客視点で考えるとこうですよ〜」といった持っていき方ができれば、話が通りやすいような気がするな。

まとめ

お恥ずかしながら正直自分もwebディレクター、webプロデューサーとしていろんなwebサイトに関わっておきながら
現実的には・・・

  1. webサイトにどうユーザーを集客するか
  2. 集客したユーザーをどうコンバージョンさせるか

というwebサイトの中身に限定した視野で考えてしまっていることが多い。。

web制作会社には、webサイトを作って欲しい、改善して欲しいということで、相談がくることがほとんどなので、実際マーケティングの領域にまで踏み込んで話ができることは実は少なく、web制作会社的には、コンペ等サイトリニューアル提案で、提案に厚みを持たせるために、ヒューリスティックな分析を入れるにとどまることが多い。

とはいえ、現在、企業もコロナの影響など踏まえ、様々な変革を迫られるなか、webサイトそのものを事業のどこに据えるのかを本気で考えるようになっているとひしひしと感じている。

今後は、そういうところに深くコミットできるweb制作会社の方が重宝されるし、単純な価格競争にも巻き込まれにくくなると思っている。

その時に、こういうマーケティングのフレームワークというのは、検討のスタートに使いやすいし、利用の前例などもあることからナレッジの展開もしやすいはず。そこで知見を溜めつつ、効率化を図り、クライアント企業のビジネスそのものを考えられる、そういう立ち位置でパートナー関係を結べるといいな、と感じる今日このごろです。

そのためのトライと実績を積極的に作り、蓄積すること。
そうすればweb制作会社という看板だってまた違うものになってくるのではと思う。